nutaki

画家と庭師とカンパーニュのnutakiのレビュー・感想・評価

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)
4.0
2008年公開作品だが全然知らなかった😅
タイトル通り、画家が自宅の庭を整備するために庭師を雇う。
その場所はカンパーニュ。
カンパーニュは田舎という意味だそうで、フランスの田園風景が広がる。
そこは花の都パリからは少し離れているが、フランス自体が小さな国なので車で気軽に行ける距離のようだ。
画家はパリで成功したものの家庭的には孤独でひとり故郷の家に帰って来た。そこで雇った庭師が偶然にも幼い頃の同級生だった。
小さな田舎の中だから、偶然とは言っても確立が低いわけではないのだろう。それほど驚いた風でもない再会だ。
いたずらっ子の楽しい思い出話が、そこからの道の厳しさを語る。
夢を追ってパリで成功した画家と、地元で働き地味に暮らしている庭師。
それぞれの人生があるが、2人の時間はそんなことは関係なく楽しく、お喋りは続く。
幸せは当人しか分からないことだ。何かを成し遂げた、とか稼いでるとか、そんなことでは計れない。
長らく会っていなかったのに、あっという間に時間と距離は縮まる。
同窓会で会った友とすぐに時が戻る経験は誰もがするだろうが、昔の一番多感な頃に共に過ごした友達との関係は、不思議なものだ。
お互いに顔は老け、体型は太ったり、髪は薄くなったり白髪になったり。
でもその背後に見える。昔の彼が彼女が。
共通のどうということのない思い出を通して、見える。
なんて素敵なことだろう。
と、言いつつ同窓会は一度も出たことがないわ。
東京から札幌に来てしまったし、仲良しとは個別に会ってるしなあ。
さて、この映画。
画家をダニエル・オートゥイユ。
庭師をジャン=ピエール・ダルッサン。
共にフランスでは有名な俳優だそうだ。
オートゥイユの元妻はエマニュエル・ベアール!
この2人、特に画家は大らかで芸術家のひねくれた感じもなく明るい。
庭師の方が婿のことや悩みがあったりする。
でもお互いに助け合い、励まし合って、観ていて気持ちが良い。
フランス映画特有の早口会話がちょっと満腹感だが、飽きた辺りで展開が変わる。
キッチンの素朴だがレトロなお皿や、色彩豊かな画家の絵も興味深い。
いかにもフランスっぽく細部までお洒落だな。
ジャケットにもなっている、最期の釣りのシーンが良かった。
庭師の好きだったもの。
それをひとつひとつキャンパスに描く画家の晴れやかな笑顔。
彼の好きだったものや言われたことの全てを大切に想う画家。
ラストまで感動させられた。
静かに光る、作品。