滝和也

ドキュメント 太陽の牙ダグラムの滝和也のレビュー・感想・評価

3.1
独立開放戦線
太陽の牙

そしてデロイアの
地球からの独立への道
を描く政治的リアル
ロボット作品!

「ドキュメント 太陽の牙ダグラム」

サンライズリアルロボット路線のもう一方の雄である高橋良輔監督(勿論もう一方は富野由悠季)の送り出した、太陽の牙ダグラムの映画版です。この作品テレビ東京で放映された為、地方では放送されない場所もあり、放送されても私の地元の様に早朝と言う…(笑)朝っぱらからこんな腹黒い政治劇を見ていたかと思うと驚きですが一応見てました。

リアルロボット路線はスーパーロボット大戦をやった方は分かるんですが、要はガンダムの系譜。政治劇あり、軍隊ありで基本主人公メカが兵器なんですね。まぁ主人公機体は試作機とかで強いと言うパターンです。ご多分にもれず、ダグラムもある設定で他のコンバットアーマー(この世界のモビルスーツ)より強いと言う主人公機体です。

地球からデロイア星が独立する為の戦いに主人公達が身を投ずる訳ですが、ガンダムとは違い、徹底して陸戦しかありません。宇宙にも出なけれは、空を飛ぶのは飛行機やヘリだけ。コンバットアーマーは二足歩行の巨大な機械歩兵。(4足もありましたが)。

ガンダムを更にリアルにして行った形なんですね。顔部分がヘリのキャノピーの様になっていて操縦席。ダグラム以外は歩兵のバズーカやロケットランチャーで破壊できてました。

そして主人公達が独立開放ゲリラなので、生身の戦闘も多く、より戦争ものに近いリアルさを持っており、ガンダムの操縦席越しの世界より硝煙の匂いがする世界観でした。※更に推し進めたのか次作のボトムズです。

それは政治劇としても、より複雑かつリアリティのある展開で戦場の主人公達を振り回し、視聴者を驚かせ、結果放送延長となり70話にも及びます。これリアルロボット路線の中では最長じゃないでしょうか…。

で…そんなモノを無理やり一時間半の尺に押し込んだんですよね。当然ながら政治劇のポイントだけを繋いだ戦争ドキュメントになってます。キャラクターの魅力やダグラムの戦闘シーンは二の次のため、1番目立たなければいけない主人公クリン・カシムのセリフよりおっさん政治家達のセリフが圧倒的に多いと言う…。話が元々複雑過ぎて、どうなってるか解りにくかったので端折りに端折り、分かりやすくして出来上がった感じでした…。

これ、映画館で見たとき、ガンダム並みの三部作にできなかったのかなと子供心に思いましたが…そこまで博打が打てるほどのヒットにはなってなかったと今では思います。プラモはタカラから出ていて作ってましたが…。

初見で見てわかる作品ではないので、TVアニメを見てた方か、もしくは作品を見てからおさらい程度に見るものかなと。最近またプラモが発売されて少し人気が出たと聞き、久々に見たくなりましたが、色々忘れてて…(笑)コンバットアーマーの名前は覚えてたんですけどね…。やはり同時上映だったザブングルの方が好きだったなぁと。プラモも出来が良かったし(^^)
滝和也

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