次回作に行き詰まった映画監督の苦悩を描く。
マルチェロ・マストロヤンニが演じるグイドは、表現者であるフェリーニの分身だ。グイドを通して、フェリーニの脳内を見る気持ちで鑑賞すればいいと思う。
代表作である「道」のようなドラマ性を求めると、跳ね返される。
冒頭、心境のメタファーとも思える悪夢にうなされ、現実世界では役者の売り込みや、周囲の期待や要望、相談や質問がグイドに容赦なく押し寄せる。
もがき苦しみ、ようやく生んだ我が子が世に出ると、「駄作だ」と酷評される時もあり、それは生涯付きまとう。
映画を撮るという事は、とんでもないプレッシャーだ。前に進めない苦悩や葛藤から逃避するように過去を回想したり、妄想するグイド。
難解に思えるその世界は、フェリーニ自らの苦悩と葛藤。ストーリーについて深く考えずに、その世界を楽しんだ。考えずに観る!
ラストのカーニバルは最高。
「人生は祭りだ。共に生きよう」