このレビューはネタバレを含みます
食事にもありつけない状態で放浪していたところを、
完全に信頼して雇ってくれた牧場主。
彼が商売敵や商売敵に抱き込まれた保安官に暗殺されたため、
頼れない法の裁きを待たず復讐を誓う主人公ビリー。
ここまでは共感できて、
その後の展開にめっちゃ期待したのだけど。
た だ の ク ズ だ と 判 明
復讐に知人を無理矢理巻き込んで焼死させるわ、
恩赦と聞いて小麦粉を強奪して暴れ回るわ、
無口だった序盤のビリーはどこへ行った!!!!
しかも、元々さほどの恩義でもない雇い主の復讐をしようとか、
わずかの恩も忘れない義理堅い奴みたいな感じだったのに、
恩人の結婚式で人殺して台無しにするわ、
匿ってくれた恩人の妻を寝取るわ、
お前、それで何で雇い主の復讐しようとした!?
ビリー・ザ・キッドという人間の、
神格化された虚像と、実際の情けない姿。
アウトローなんてこんなもんだよ。
ってのを中盤以降のテーマにした映画なのは理解できるけど、
そもそもの雇い主の復讐というプロット自体が、
中盤以降のビリーの性格と正反対すぎてもはや何が何だか。
あんなに何の得もない復讐をしようとするんだから、
それはそれなりにそう思った動機とか信念とかがないと成り立たないんだけど、
そこの肉付けが何もなされてないから、
ストーリーに没入させるべき共感も反感も何も抱けないのよな。
そしてもちろん、
左利きであることも何の焦点にもなっていないのであった。
うーん、なんだかな!