酷い映画マイベスト5を上げるとしたら、
ぼくはグリーナウェイの「英国式庭園殺人事件」と「数に溺れて」をWランクインさせる自信がある。
映画を好きになり始めて、
なけなしのお小遣いをはたいて毎月少しずつレンタルでいろんな映画を観て、
そしてある時、
この2作品を借りてきてから、
ぼくはその後1年間映画を観ることをやめた。
その事実からこの映画のことをお察しください。
ストーリーらしいストーリーはほとんどなく、
ただひたすらに、
頽廃的な映像と、おぞましい言葉と、陰鬱な空気。
グリーナウェイ監督って、
たまたま映像を美しく(頽廃的な価値観に合う限りで)撮る才能があるだけで、
やってることそのものは極度の厨二病なのよな。
ぼくはけっこう本気で、
グリーナウェイ作品が好きという人とは理解し合えないし、
何なら友達にもなれない確信を持ってる。
この映画と出会わなければ、
ぼくはもっと若い頃から映画を好きでいられた。
有限な時間を無駄に浪費するということがどういうことかを教えてくれる意味においては、
とっても大きな意義のある映画である。