だい

ムーンウォーカーのだいのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンウォーカー(1988年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

噂には聞いていたが、
噂以上のやべぇ奴だったぜ。。。

序盤10分以上マイコーのクリップ集。
次いで、マイコー似の子供が率いる不良集団が踊る"BAD"を挟み、
オープンスタジオで撮影中に、ファンの異生物(クレイアニメ)たちにサインをねだって追いかけられるマイコー。
無事ファンを捲いたので、歓びのあまり一人で踊っていたら、そこにはダンス禁止の標識が立っていて警官に違反切符を切られるマイコー。

もうここまでで、
盲目的なマイコーファン以外お断りの空気充満。


そして、
なるほど、ファンタジー系映画かぁ、
と思っている視聴者をあざ笑うかのように!


突如一切登場しなくなる着ぐるみたち!
サッカーボールを投げあっこして遊ぶマイコーと子供たち!(投げ合うのになんでサッカーボールにしたんや)
子供たちを麻薬漬けにしようという悪の組織に追われるマイコーと子供たち!!

いきなりシリアス路線への大転換!!!!!!!

からの~、
命を狙われて逃げ込んだクラブでいきなり始まる「Smooth Criminal」のミュージカル!!!!!


振り幅でかすぎて、
もはやマイコーをただ見る以外の目的を持つ者は完全脱落!
お前らは黙ってマイコー様だけ見とけ!!!
という制作側の揺るがぬ信念を感じる。


他の映画にもよくいる丸サングラスの悪役(一人だけ演技上手いと思ったら、後に大出世するジョー・ペシ)、
他の映画でもよくある包囲シーン、

あー、この時代の人気作のいいとこ取りして雰囲気出してきたなあ、

と、
どう見てもパクリ感満載ながらも、
終盤に入って「映画としてのクオリティ」を当時の流行に乗る形で出そうとしてきたことに、
純情なワタクシはようやく映画ファンとして安心感を覚えていたのであります。
しかし。


純情は!!!!

罪!!!!!!!!!!!!!


突如、超巨大戦闘ロボットに変形するマイコー!!
バック・トゥ・ザ・フューチャーやら何やらのパクリに止めておけばよかったものを、
流行りに乗ろうとしすぎた挙げ句、

トランスフォーマーまでパクりやがった!!!!!!!!!!!!!

「映画とはこういうもの」という常識に囚われるぼくらの純情を全て踏みにじる超絶展開!

しかも、
予算の関係なのか何なのか、
全身シルバー1色のマイコーロボ!!!

アクロバンチやブライガーを彷彿とさせる、
マイコーの顔を持つヒューーマンフェイスロボ!
着色を忘れた超合金おもちゃにしか見えないやつが、
事もあろうに、生身の兵士たちをビームの餌食にしていく!!!

無 茶 苦 茶 す ぎ る


マイコーを見ることだけで満足しているマイコーファンだけしか見る価値の無い作りから、
もはやマイコー本人すら出さないことでマイコーファンすら突き放す最強サディズム!!

味方を作る気、 ゼ  ロ  !!!!


ここまで振り切れると逆に気持ちよさしかない!
もう何て言うか、
サイコすぎる映画を観て楽しめる人なら観て損はないさえ言い切れる!
真面目な人は絶対ダメ。確実に怒る。
ぼくは好きです。


マイコー本人はどう思ってこんなのに出演したんやろなぁ。
マイコー原案とはいえ、どこまでがマイコーの構想内なのかは気になる。
でもマイコーの性格考えたらたぶん楽しんで撮ってたとは思うから、
まあそれでいいわ。
だい

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