翼

ミッション:インポッシブル3の翼のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

フィリップ・シーモア・ホフマン、名悪役だった。
「こいつだけは絶対逃してはならない」というイーサンの緊迫感が、銃撃や爆発のド派手アクションの内側でヒヤリと存在し続け、ヒリヒリと伝わる。そして逃してしまった後、一変してこちらが狩られる側になるスピード感。後日譚形式なので「そのシーン」に向けて逃れられな運命感。いや撮り方うまいよJJエイブラムス。俯瞰して見ればジュリアも顔覆面ビリビリの偽物ってわかりそうなもんだけど(イーサンも劇中やってるし)、それを疑わせない迫真さがある。相まって1秒毎にリアクション変えるトムの10カウント百面相の演技ホントすごい。名悪役フィリップの淡々とした緩急と混ざり合う。同じの2回見ることになるわけだけど、むしろ2回目のが色鮮やかに感じるほど。近年のトムはトンデモスタントおじさんでジャッキーチェンコースかと思ってたけど、このヒリつく緊迫感の演技ができるんだもんやっぱりスターだわ。正直MIシリーズにこの感じ求めてなかっただけに素晴らしい裏切り!
それだけにスカッとした。終始ハードで暗い、だからこそエンディングの3分間足らずの安寧が本当に安らぐ。

局長殺してラビットフットが手前に転がってくるシーンは、敵倒したらアイテムがでてくるゲームみたいで笑えた。ハードアクションのくせに端々チープなのがチャームポイントよね、MI。
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