翼

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYの翼のレビュー・感想・評価

4.3
「与えられた才能を正しく使って」
この母の導きあってのこの娘。

彼女が放つ輝き、希望、諦めない力強さは、自己と対峙し続けた結果の本当の心の声だからこそ、多くの人の心の琴線に触れ心を揺り動かす。世界の歌姫となり多くの人と繋がったからこそ、オレオと揶揄され確かに白人DIVA的な楽曲やプロモーションではあるんだけど、アメリカン・アフリカンとはまた違った魂の歌唱に感じる。伸びやかな歌声に裏打ちされた叫び。その訴えには共感が止まない。
48歳の急逝はよく覚えている。ドラッグとショービズは切っても切り離せないものなのか、神と歌う為の梯子と表現していたけど、プロデューサーのクライヴが諭す通りニュージャージーのショーパブでデビューした時から神と通じていたような歌唱だった。
そういった意味では主演のナオミ・アッキーも伸びやかな歌声と美貌を兼ね備えた逸材。奇跡のキャスティング!

ホイットニーヒューストン逝去の時に『glee』が追悼してた会を印象的に覚えている。あの時は特定のアーティストの急逝に乗っかっているのかなくらいに捉えていたんだけど、反省。性差や人種の壁、家族との軋轢、自己と闘い続けた彼女の生き様は確かに弾かれたlooserたちに勇気を与える象徴だった。
翼