LalaーMukuーMerry

遠い空の向こうにのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.4
昔見て(少なくとも10年以上前)印象に残っている私の中の名作をもう一度シリーズ その1
          *
原作「ロケット・ボーイズ」、原作者は映画の主人公、つまり原作者自身の実話に基づく作品。1957年人類初の人工衛星スプートニクをソ連が打ち上げたというニュースに触発されたアメリカの高校生が、自分たちでロケットを打ち上げるという途方もない夢をもつところから始まる物語。
          *
私は、これは本から映画にいったパターン。最初おもちゃのようなロケットから始まって、燃料となる火薬選び・調合の仕方、噴射口の設計、旋盤や溶接の技術を学びながら製作、発射場つくり、打ち上げ、改良、打ち上げ、改良…。だんだん到達高さが上がるにつれて、どこまで上がるかは肉眼で確認するよりも、燃料の燃やし方とロケットの重さから初速を割り出し、ニュートン力学を使った軌道計算までして求めるようになる。高校生が工夫を凝らしながらどんどん進歩していく様子がいきいきと描かれていて、サイエンス関連の読み物としては出色の面白さだった。
          *
でもこれが広く感動を呼んだのは、サイエンスの読み物としてではなく、(特に映画は)夢を追い続けることの大切さを伝える、人と人の物語として優れていたからでしょう。後押ししてくれた先生も素敵だったし、頑固者どうしの父と息子の微妙な関係性からくるラスト、泣けました。(年を重ねると特に)