FumiyaIwashina

遠い空の向こうにのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.4
映画の魅力がたくさん詰まった真の名作。全てのシーンが素晴らしく、ユーモアも混ぜながら最後まで観る者を捉えて離さない。
アメリカの炭鉱町の高校生ホーマーはロシアのスプートニクに影響されて、自らロケットを作ることに。様々な困難に遭遇するも、周囲の人の助けを借りながら、最後までやり遂げる姿がいかにも青春という感じで感動してしまう。
オープニングのニュースに打ちのめされるコールウッドの人々は、下を向きながら地下に潜って行く。しかし、ホーマーだけは上を向いてロケットを飛ばそうとする。この地下の炭鉱という現実と、空のロケットという夢との対比が見事だった。
登場人物も皆素敵な人ばかりだったが、特に父親は重要なキャラクターだった。炭鉱で働く父親は息子の将来を考えるがゆえに衝突を繰り返すが、いざという時に大きな力にもなっていて、頑固で強い父と気持ちを通わせていく物語はとても良かった。
彼らを始めから信じてくれた教師も優しく聡明で終始素敵だった。さらには、ここぞとばかりに助け船を出してくれる母親、父の同僚も良かった。
そして何と言っても3人の仲間たち。彼らとともに笑ったり、悲しんだりしつつ、ひとつの夢に向かって、諦めずに突き進んだ青春は本当に素敵だなと思った。