FumiyaIwashina

孤狼の血のFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.9
昭和末期の広島。暴力団同士の衝突を抑えるため、ベテラン刑事の大上はヤクザ顔負けの暴力的な行動や、汚い手も使い、ぎりぎりのところでバランスを保っていた。そんな大上とコンビを組むことになった若手の日岡は、大上を監視しつつも、彼の生き様をまざまざと見せつけられることになる。
暴力団にまだまだ勢いのあった時代。暴力団同士だけでなく、警察内部も腐敗していて、常に気の抜けない状況。そんななか、時には警察という肩書きを盾に力付くでねじ伏せ、時には暴力団に寄り添って説得し、時には大義のために汚い手を使ってでも証拠を見つける。そんな、大上の綱渡りはスリリングでかっこよかった。
また、県警本部から派遣されてきた日岡も、大上の姿を側で見続け、どんどん目付きも変わり、ハードボイルドになっていく様子も渋かった。
全体としても、ヤクザと警察のハードボイルドものから、殺人などのグロテスクもの、そして事件解決に向けてのミステリー要素など、色んな要素を含みつつ、絶妙なバランスで構成されている。