Ren

リトル・ミス・サンシャインのRenのレビュー・感想・評価

4.5
大好き。黄色を大胆に使ったポスターがおしゃれ。クセ強めな家族がクセ強めなトラブルに見舞われながらカリフォルニアを目指す傑作ロードムービー。

オンボロのワゴンに乗って、バラバラでどうしようもない家族が娘のコンテストのために団結していく。感涙ファミリームービーを期待すると肩透かしをくらうかもしれないけど、一貫してオフビートコメディのテイストが流れており、この空気感がグルーヴしていく度に楽しくなっていく。

ラストのダンス審査のシークエンスが最高。笑いながら涙する、とはまさにこのことで、ここまでの90分をフリに使った大オチともとれるし、「自分が自分であること」「ダメな自分を愛すること」「そんな自分の存在を伝えること」を文字通りカラダで表すカタルシス大放出場面ともとれる。こんな家族になりたいな〜とは1mmも思わないのに、終わってみるとなぜか彼らの輪の中に入りたくなっている不思議な魅力を感じられる作品。

一貫して描かれるのは、成長ではなく自己肯定。このスタンスに救われる人は絶対に少なくないはず。「ダメなままでいい、負け犬のままで終わるな」この2つを押し付けがましくなく伝えてくれる優しい話。ヤク漬けおじいちゃんの「負け犬っていうのは、負けるのが怖くて挑戦しない奴らのことだ」が至言。
中盤のトンデモ展開に振り落とされずについていってほしい。最高に面白いから!

家族で数少ない普通寄りな人が、『ヘレディタリー/継承』の顔芸お母さんことトニ・コレットなのが面白い。
Ren

Ren