Azuという名のブシェミ夫人

ハンニバル・ライジングのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)
2.7
ドラマ版『ハンニバル』を見始める前に、せっかくだから作中の時系列順に見直してみようと・・・。
そうなると初っ端はこれになるけど、これハンニバル・レクターのシリーズに入れないで欲しいんだよなぁ。
レクター博士ぐらいのキャラクターになっちゃうと、下手に過去のトラウマを描いてミステリアスな部分を開示し、観客に人間性を分析されちゃったりするのは、却って魅力を削ぐことになると思うんですよね。
人知を超えたような、突き抜けた変態であって欲しいんですよ、彼には(←?)
『そんなトラウマがあるんじゃ精神おかしくなってもしょうがないよねー』みたいな理解は要らない!
全てを語らない方が良い事だって、世の中にはあるんだぞと。

ただ、これをレクター博士のビギニングストーリーとして観なければ、作品の雰囲気としては割と好きです。
ジワリジワリと狂気が人間を飲み込んでいく感じがいい。
ギャスパー・ウリエルのゾクっとするような美しさが、妖しい雰囲気を引き立てていて素敵。
子供の頃に犬に噛まれてしまって出来たという頬のキズが、彼の魅力を損ねるどころか印象的にさせてますよね。
最初に出てきたときはもっと売れるかと思ったんですけど、いまいちパッとした作品に出れてない気がして勿体ない・・・。

やっぱりレディ・ムラサキの中途半端な日本感、取ってつけた様な布石(マスクとか)には興醒めですが。
海外の方からしたら島国日本(特に昔)はとてもミステリアスな国でしょうから、こういう世界観で使うにはもってこいなんでしょうけど。
使うならもう少しちゃんとやってくれって日本人はつい思っちゃう。

そんなわけで、レクター博士である事を完全に無視すればマシなんですけど、そこ一番無視しちゃいけないとこなので、やっぱりダメー!