原作もすごく面白いけれど、あれを見事に映像化していてとても好き。
最初実写化すると聞き、高良健吾はイケメンすぎるんじゃないかと思ったけれど、どこかフワフワ地に足のつかないような、でも居るだけで安心できる世之介というキャラを上手く演じていた。
何より祥子役の吉高由里子がはまり役すぎる。「ごきげんよう」と言いながら手を振る姿が、その浮き上がり方と馴染み方まで、彼女本人のキャラクターと相まってここまでしっくりくる女優は居ないのでは。
世之介本人は特に何もしてないのに、周囲を楽しくし、大事な場面に居合わせ、意図せず背中を押す。
振り返ると楽しかった思い出の中にいつもいる存在。
切なさとノスタルジーと温かさが入り混じったとてもいい時間だった。
