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シザーハンズのJINのレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
5.0
涙を流しそうになるぐらい感動して自分の中ではずっと心に残ってる映画。
純真であることが、時には罪深くもなる皮肉。
普通の人とは違うということの孤独感。
触れたくても抱きしめたくても傷つけてしまうというどうしようもない哀しさ。
人を好きになることで生まれてくる感情は必ずしも綺麗なものばかりではなく、「嫉妬」のような醜い感情も生み出してしまう。
思えば愛の貫き方っていうのも人それぞれなわけで。
好きな人に何をしてあげたいのか?
大切に想う人をどうやって守るのか?
結局は住む世界が違うっていうように気持ちを割り切ることは現実にもあり得ることだし、自分の生まれ育った環境を呪うことだってあるかもしれない。
一度温もりを知ってしまうとかえって寂しさが募ってしまうものだけど、エドワードはどうだったんだろうか?
想い出さえあればいつまでも生きていけるのか?
社会とかコミュニケーションとか、個性的すぎたり不器用すぎると生きづらい。

自分がこの作品を見て何であんなに心を打たれたのか?
いろんな感情が混ざり合っての上だったと思うので、それを言葉では表わしにくいんやけど、おそらくエドワードの中に自分自身を見てしまったのかもしれない。
孤独で誤解を受けるほど不器用でもまっすぐなら大切な想いは届いて伝わるんだっていう「報われた感」だろうか。
大切に想える人と抱きしめ合えた瞬間っていうのはたまらなく愛しいものが溢れてきてしまうよね。
それが叶わないかもしれないって思ってた相手とならなおのこと。
ハグやキスで今までのいろんなものが洗い流されて浄化されて、前に進んで行けることってあると思う。
そうゆう忘れたくない純粋な心の輝きみたいなものをこの映画は思い出させてくれるよなあって思った。
何ともせつない映画やけどね。

だからこんな甘くせつないおとぎ話のようなファンタジー映画に、「エドワードは一人暮らしやのにあのでっかい氷柱を一体どこから仕入れてきたんやろうか?」とかそんなツッコミを入れたらあかんのだ(笑)
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