ひろ

スリーパーのひろのレビュー・感想・評価

スリーパー(1973年製作の映画)
4.0
ウディ・アレン監督・脚本・主演によって製作された1973年のアメリカ映画

現役の監督で最も作品を撮っているウディ・アレン監督のキャリア初期のSFコメディ。アレン監督がSFっていうのが珍しい。SFと言っても金をかけず、ユーモアで強引に切り抜ける所は監督らしい。召使いロボットになりきっているシーンは爆笑だった。

相変わらず卑屈なキャラクターを自ら演じているが、ウディ・アレン監督が世界中で愛されているのは、自分の弱さやエロさを包み隠さずさらけ出す人間臭さが要因だろう。台詞で笑わせるのもうまい。まだ若いから動きにキレもあった。

ハリウッドに背を向けて、お金をかけずに毎年映画を撮り続けるウディ・アレン。ハリウッド大作みたいな映画は、金さえあれば撮れる監督はたくさんいる。だけど、低予算で常に面白い作品を撮り続けることができる監督は、ほとんどいない。アカデミー賞に最多ノミネートされているのに、絶対にアカデミー賞には参加しない監督は、多くの俳優に尊敬されている。だから、低予算なのにキャストが豪華なことが多い。

ヒロインを演じたのはダイアン・キートン。共演をきっかけにアレン監督と付き合い、「アニー・ホール」「マンハッタン」という名作で2人の関係は最高潮に達する。別れた後も共演しているが、アレン作品ファンには、このツーショットは特別なものだ。

クラリネット奏者でもある監督は音楽にも参加している。アレン作品といったらジャズだ。いつもジャズへの愛を感じる。日本でもウディ・アレン人気はけっこう高いんだけど、知り合いでウディ・アレンを語れる人が1人もいない。ウディ・アレン観ないなんてどうかしてるよ。
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