【まとめシネマ】#368
【まとめ】
* 様々な結婚観に触れるヒロイン
* 人情が語る昭和だからこその結末!
* 「結婚」に疑問を持つ人に!
「岡本喜八を巡る旅」
記念すべき一作目。
岡本喜八監督のデビュー作。
本作で特徴的なのが様々な結婚観に触れていくところ。
作品が公開された1958年の昭和真っ只中の頃なので、作品での一般的な結婚観は「男が働き、女が支える」もの。そんな結婚観に疑問を抱く江戸っ子気質なヒロインが様々な夫婦・カップルから結婚観を学んでいくストーリー。
ある夫婦は結婚を哲学的に考えたり、ある熟年夫婦は夫からの愛を感じられないあまり、浮気に発展したり。様々な夫婦の結婚観を見るヒロインが「私はこう思う!」とズバッと評価する姿は痛快。
昭和の映画は、言葉に迷いがない。
現代の主人公やヒロインは何かしらの問題を心の中で抱え、悩む姿に共感を得ている。しかし、昭和の人々は人情で動き、人情で人を正していく。そんな時代だからこそあの結末は素晴らしい瞬間だ。
本作は「結婚」に疑問を持っている人にオススメ。
僕も「結婚とは」「愛とは」とどこか哲学的に考えてしまう身だったが、本作を観て憧れの夫婦像を学んだ。