近藤啓二

モンスターの近藤啓二のネタバレレビュー・内容・結末

モンスター(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

これはめちゃめちゃ切なかった。
実際のアイリーン・ウォレスと恋人との関係や事件はもっと生々しいけど、うまく整理して物語に昇華したセンスと優しい目線は学ぶものは多かった。
寂しがりで愛してもらいたいけどアイリーンに愛情を返すまでは大人じゃないセルビーが、最後のお金にキョトンとして、やっと悟ったアイリーンががっくりうなだれる、このシーンが印象的だった。
共犯扱いにならないよう、警察の手前ウソをついたという捉え方でもいいけどあの演技に違和感があってなんだろなと。
おそらくアイリーンとセルビーの食い違いを描きたかったんじゃないかなと思う。
恋人のための実際、モンスターと呼ばれる女に成り下がったという意味とセルビーもささやかながらモンスターだったという意味がかけられてるんだろうな。
初めて二人がキスするシーンの幸せ感が最高だっただけにこのラスト、強烈な印象を残す実際のアイリーンの動画なども本当に切なく思える。

話題になったシャーリーズ・セロンの変貌ぶりはもちろんだが、幼い恋人にアレンジされたクリスティーナ・リッチもほんとレズにしか見えない。おそらくセロン同様に体重もコントロールしたのだと思うけど、決して美しくない二人が幸せを感じたり、絶望して泣いたりする姿に心動かされる。
演出、脚本もだが役者の力を改めて感じることができる作品だった。
近藤啓二

近藤啓二