「みんなに聞きたい。”愛”ってなんだ？」
グリーティングカード会社で働くトム。
ある日、アシスタントとして会社にやってきたサマーに一目ぼれ。2人はデートを重ねるが...。
もう、本当に、トムはもちろん、サマーにも共感。鑑賞後、静かに泣きました...（感動するような映画じゃないです。笑）
彼氏に振られて もうすぐ1年。
「ひろちゃんと一緒にいても楽しくなかった」
その一言に私はひどく傷つきました。。
そして、別れ話をしたときに彼に怒りをぶつけることが出来なかった分、自分に跳ね返ってきて、私はPTSDとうつ病に悩まされることになります。（自分が人から拒否されたという事実をなかなか受け入れることが出来なかったのです...）
部活の仕事が溜まったり、毎日忙しいと 時々フッとその時のことが思い出されて、苦しくなって、泣き疲れて寝ることもしばしば。私にとってトラウマになっている出来事。
でも、その経験があったからこそ味わえる映画が増えたことも事実。今作もその1つ。
「恋人になるのはイヤなの。誰かの所有物になるのは最悪。自分自身でいたい。恋愛関係は面倒だし、傷つくのもイヤ。」
「恋は長続きしないわ。愛は絵空事よ。」
これはたぶん本当の愛を知らない人の言葉。
でも、とても共感してしまいます。
サマーは結果的にトムを傷つけるけれど、私にはそれほどひどい人に思えなくて…。たぶんそれは、サマー自身が傷を負った女性に見えたからだと思います。
トムには惹かれるし、付き合いたい。
でも、IKEAでデートしていても、CDショップに行っても、一緒に映画を観ても自分らしくいられない。そして、トムも自分のせいで無理をしている気がする。
そのことにサマーは気づいていたのかなと思います。
だから、恋人関係にはなれない、一歩踏み出せなかった。
私はそう感じました。
一方、トムの気持ちにも素直に共感できます。
「心はズタズタ。孤独そのものだ。唯一の友は悲しみだけ。そして苦しみ。果てしない苦しみ。果てしなきイバラの道を歩む」
サマーからパーティに誘われた場面。
期待に胸を膨らませて行くと、自分が予想できなかった現実が待っていた。トムが思い描いていた理想とそれに相反する現実が比較されて描かれていたのが印象的。あの場面、面白いんだけど、悲しい笑いですね...。なんとも言えない切ない気持ちになります...。
「”愛”だって？そんなものに意味はない。映画もポップスも嘘ばっかり。この世はデタラメだ」
自分の怒り、やるせない想いをどこにぶつけたらいいのだろう。自分のどこがいけなかったんだろう。
Simon & Garfunkel "Bookends"にグッときて、ほろりと涙がこぼれました。
「今は思い出がいっぱいでも振り返ってみて。もう一度見直すの」
その言葉をきっかけにいろいろ思い返すと。
自分は楽しくてもサマーはどういう顔をしていただろう。
お互いの価値観にズレがあったような...
自分のエゴに彼女を付き合わせていただけじゃないのか。
私もそのセリフにハッとさせられました。
今まで逃げて、向き合うことを避けてきた過去が徐々に見えてきました。
彼と一緒にいて、自分らしくいることが出来ていたか。
無理はしていなかったか。
「小細工するより正直になるべきだ。本音を言うべきだ」
本当に、その通りです。
「奇跡は起こらないのだ。運命の力など存在しない。偶然。それがすべてだ。」
私もやっと、立ち直ることが出来そうです。
☆車窓に映った自分の顔がハリソンフォード（ハンソロ）になってウィンクしてるところは大笑い。自分の部屋で鑑賞後、リビングに行くと、母に「YouTubeでお笑いのコントでも見てたん？」とツッコまれました(^_^;)
他にも ダスティンホフマンの「卒業」の1シーンが出て来たりするので映画好きさんが楽しめる映画だと思います(^^)/
