まりぃくりすてぃ

ノスフェラトゥのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)
4.0
あのォ……、怖いんですけど…………。
客人を、私をビビらせた、最初の夜の吸血鬼(クラウス・キンスキー)。
でも、クラウスだけじゃなく……………スイカの赤にもゾクゾク。そして、綺麗すぎるイザベル・アジャーニさんも、急に叫んだりアイラインがああだったりして、私にはかなり怖かったんですけど。

それにしても、マジメな人々の手で作られた、耽美的な映画!
旧作(白黒のサイレント版)では単におぞましかったネズミさんたちも、このヘルツォーク版の中では、ヒヨコみたいに黄色っぽくてひたすら美しかった。何百匹ものネズミをただただ可愛い集団だと感じたのは、人生初。
霧の山の風景は、東山魁夷。
川も海も町も、美がひんやり。
怖がらせることよりも美しく撮ることに重きを置いたみたいなヘルツォーク監督が、(生と死の簡素な哲学、以外に)何を言いたかったのか、ちゃんとはわかんなかった。原作に忠実なら、充分ではあるけれど。
結局私、怖くなかったの?