このレビューはネタバレを含みます
愛と信仰についての物語。
ただ露悪的なだけの映画ではないと感じた。
この物語で、トリアーは形骸化した信仰を強く否定している。
人間を見つめるとき、表面の行為でなく、その行為の奥にある心を見なくてはならないとこの物語は教えてくれる。
ヤンを救いたい一心でヤンの言葉に従い、自らを犠牲にし見知らぬ男と関係を持つベス。
そんなベスの表面しか見ず、ベスを追放した教会の人間たちは「地獄に落ちる」とベスを埋葬しようとする。
そこで「あなたたちにはベスを地獄に送る権利はない」と訴えるドドが印象的。
忌み嫌われ、石を投げつけられ、傷だらけでボロボロになりながらも愛と信仰を貫き、死を迎えるベス。
ベスは狂っているのか?汚らわしいのか?
彼女をしっかりと見つめれば、真実がわかる。