みちろう

情事のみちろうのレビュー・感想・評価

情事(1960年製作の映画)
4.3
イタリアの小さな島でアンナという女性が行方不明になり、初めは彼女を懸命に探し回ってた親友クラウディアとアンナの彼氏サンドロが次第に結ばれていく。

原題はL'avventura (the adventure)で邦題の"情事"だけでは地味な印象が強かったけど中身は割とシンプルですんなり観れる。今までフェリーニのイメージが強くてこの時代のイタリア映画=奇抜でクセのあるものだと勝手に自分の中で定義付けしてたのがそこで覆された。

アンナを探す前半とアンナなんか忘れて男女がイチャつく後半。アンナはどこへ行ったのか?なぜ消えたのか?クラウディアとサンドロの関係性などについては映像でも台詞でも詳しく明かされない。明かされないけれどこの映画にはその謎に対する想像力を掻き立てられる余白が多くのシーンにあって、ゆったりと映される情景やクラウディアとサンドロの変化していく姿を眺めるのと同時に自分なりの解釈を頭に巡らせていく、映像は地味なのにじ〜っと観てられる。

普通のロマンス映画と違って失踪事件が背景にあることでサスペンスぽくもあり、良心、道徳心、友情、愛に葛藤する心理ドラマもよりディープ。意外と面白い映画だった。

水泳帽あれが当時の流行り?/島/荒波/鐘/集まる男ども/金髪/黒のインクと黒服の子供たち/最後の涙
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