遺書からはじまる1人の母親の誰も知らない壮絶な物語。
"灼熱の魂"に焼け尽くされ、真っ白になる。
一週間経っても尚、静かに熱を帯びている。
今作の生みの親、
原作『Incendies(焼け焦げるたましい)』の作者レバノン系カナダ人のワジディ・ムアワッド、
完璧な映画に昇華したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に、心から感謝。
人は生まれてから、大なり小なり何かしらの形で誰かの人生に影響を及ぼしている。
一人一人が連鎖し合って世界が作られている。
わかり合えないこともある。
理不尽に感じることもある。
復讐したくなることもある。
それでも人には"受容"と"忘却"という
ありがたい機能が備わっている。
裁いたら裁かれる。
赦したら赦される。
世界は複雑でもあり単純でもある。
自分が変われば人が、世界がほんの少し
変わるかもしれない。
永遠は存在しない。
あるのは瞬間の連続。