鍋レモン

灼熱の魂の鍋レモンのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.3
⚪概要とあらすじ
『渦』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督と脚本を務め、レバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの原作を映画化した珠玉の人間ドラマ。

ある日、カナダで暮らす双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)の母親ナワル(ルブナ・アザバル)が永眠する。後日、長年彼女を秘書として雇っていた公証人(レミー・ジラール)により、母の遺言が読み上げられる。その内容は、所在がわからない自分たちの父と兄に手紙を渡してほしいというもので...。

⚪感想
「1+1=2」

運命は時に幸せにも不幸にも転ぶ世の中の不条理さと残酷さ。

この物語の母の身を焦がすほどの愛。まさに『灼熱の魂』。
「母は強し」なんて言葉では表せないほどの母ナワルの心の強さと決意と勇気。

全体的に寒色系の映像で、宗教問題や紛争、社会状況がリアルに描かれていて苦しい。

イスラム教とキリスト教は元をたどれば一緒なのになぜこうも対立するのか。宗教目的としても根本は平和なのに。
中東の情勢に詳しいとかなりの理解しやすい映画かもしれない。知らないとかなりのショッキングというか、現実を知って言葉が出なくなる。

バスのシーンや子供たちが5人くらいで逃げるシーン、監獄のシーン。

ナワルとジャンヌの女優さんの目が凄く似ていてどっちがどっちだか分からなくなった。
過去と現在も入れ替わりで描かれるからなおさらかも。

単なる父と兄を探す物語ではなくて、二転三転転がっての展開。
全てがわかった時にはボロボロ泣いてしまった。

魂が震えるってこういう映画を言うんだろうな。

核心に迫ってるレビューも沢山あるので気になった人は映画見た方が楽しめそう。



⚪以下ネタバレ



「1+1=2」ではなく「1+1=1」だった時の衝撃。ジャンヌの悲鳴にも似た声が一層苦しくなる。

断ち切って前に進むためには知るべきだったのか。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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