ひろ

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルのひろのレビュー・感想・評価

3.7
製作トム・クルーズ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク、監督ブラッド・バードによって製作された2011年のアメリカ映画

シリーズも4作目となると、予定調和のそこそこの映画になりがちだが、この作品はシリーズ最高傑作との呼び声高い。それにはいくつか要因がある。ギャラが下落し続けていた落ち目のビッグネームであるトム・クルーズの復活は大きい。トム・クルーズが映画化の権利を持っていたというのもあるが、ギャラの安いビッグネームを主演にするというのは、資金不足のハリウッドの新しいスタンダードだ。

「Mr.インクレディブル」、「レミーのおいしいレストラン」でオスカーを受賞したブラッド・バードというアニメーションのプロを、初めて実写映画の監督として迎え入れたのも、成功の要因だろう。限りなく3次元に近い2次元を描いてきた監督が、限りなく2次元に近い3次元に挑戦するんだから面白い。実写なのに漫画みたいなド派手なシーンも、この監督ならではだろう。

世界最大のビルにスタントなしで登ったトム・クルーズの意気込みもすごいが、この作品を高めているのは、新キャストの面々だと思う。サイモン・ペグの存在は大きい。コメディ色の濃い彼のおかげで、シリーズに足りなかったコミカルな要素が加わっている。ジェレミー・レナーは確かな演技力で、新しいチームのバランスをとっている。スウェーデンの「ミレニアム」シリーズのミカエル・ニクヴィストを敵役にしているのも面白い選択だ。

スパイ大作戦から続く、お馴染みのミッション指令のくだりが好きだし、お馴染みのテーマソングもテンションが上がる。もはや、ほとんどスパイものじゃない気もするが、イーサン・ハントというキャラクターは、映画好きに浸透しているし、もう何でもありなんだと思う。
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