Frauヌコ

さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-のFrauヌコのレビュー・感想・評価

3.6
79年に公開された劇場版の続編。

劇場オリジナル版となっており、前作で明かされなかった謎が本作で明るみになります。
本作のみでも観られない事はないですが、前作を鑑賞してから本作を観た方が判りやすいかと。

前作は主人公・星野鉄郎が機械の身体を手に入れるためと言うはっきりとした目標を掲げ、旅先での経験を通して成長してゆく話でしたが、本作は前作のあの前向きで希望あるエンディングから一転、冒頭は絶望感漂う描写から始まり…
鉄郎を取り巻く環境の謎、メーテルの謎、鉄郎に託されたメッセージの謎…等、いくつもの謎と「限られた命」「永遠の命」双方から見た「命」とは何か?人との繋がり、絆とは?を主なテーマとして、終始重い展開が続きます。
エンディングになると「嗚呼、もうこれで本当にさよならなんだな」とメアリー・マクレガーが歌う「SAYONARA」がより一層哀愁を漂わせ、そして少年は大人になるのである。

あまりにも前作が素晴らしい出来ゆえ、本作への期待値は否応にも高まるのは必然であって。
期待値MAXで鑑賞した反動なのか、鑑賞後は可もなく不可もなく。。。
展開的に突っ込みいれたくなる場面がいくつかあったものの「お約束って事で」と納得するも。
台詞も流石松本ワールド男くさいぜ…と唸るし、画だって悪くない。音楽もハマっていたし、声優陣だって前作と変わりない。
なのにこのもやっと感は何なんだろうか。
テーマが重く、こちらに問いかけているのもあるかもしれない。
ただでさえ明確な回答ないから余計に。


脚本を担当した、山浦弘靖氏。テレビシリーズでも関わっていましたが、彼がコバルト文庫にて「星子ちゃんシリーズ」なる作品を執筆しており、かなり夢中になって読んでいた遠き思ひ出。