Frauヌコ

Wの悲劇のFrauヌコのレビュー・感想・評価

Wの悲劇(1984年製作の映画)
3.3
タイトルから「ミステリー」かと思っていたら、実は夏樹静子氏原作とあるものの、本作中で上演される舞台劇の原作という形で、ストーリーはまた別物であり「1人の女性の成長物語」の色合いが強いです。

もう30年以上前の内容なので昭和漂う台詞等、陳腐な箇所もあるけれど冒頭のピロトークシーンは、雰囲気も映像も含めて好きな所。
主演の薬師丸ひろ子さんの等身大な演技は作風に溶け込んでいたし、相手役の世良公則さんが一途で真っ直ぐな男。
2人の結末は最初シナリオでは全く別だったとか。最初の結末なら本作は凡作となっていたかも、です。

作中立ち稽古場面が妙な緊迫感に包まれており、何がそうさせているのかと訝しがっていたら演出家役として蜷川幸雄氏が出演。煙草片手に動き回り、劇団員に向かって台本を投げつけるシーン、アレ素じゃなかろうか。

「顔ぶたないで!私、女優なんだから!」

当時近所に住む年上のおねぃさんがよく真似してたけれど、本作中に薬師丸さんが放った台詞だったのね。。。