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裸の太陽のmingoのレビュー・感想・評価

裸の太陽(1958年製作の映画)
4.5
汽車映画の最高傑作。青春映画なのにあまりに良すぎて泣いてしまった…ATBに食い込む素晴らしさ…特筆すべきは街の小さな看板まで読めてしまう(先日のゴショヘイ映画でも大活躍をみせた)撮影宮島義勇の被写界深度の深さ。石炭積んで黒い煙をあげる汽車のディティールを細かく丁寧に描写すると同時に間違いないシンカネ脚本が呼応するかのように瑞々しくもあついあつい若い魂が活写されている。

サボってる奴をみて発狂、変なダンス踊り狂うとこ最高だし仲間と相撲したり腐った木のノミを取り除かないととずっと多動してる機関助手江原真二郎だが汽車と同じく心の灯は決して消さない姿勢に観るものも気づけばあつく前のめり、アイスバー食べたあとかき氷をかき込み萩の宮商店街の茶店でメロンソーダを一気飲み、胃無敵かよ。終始振り回されぱっなしの丘さとみは辟易しながらも公園のブランコで不意なキスにメロメロ、序盤の妹中原ひとみのプンスカストーキングを橋の下から捉えたショットの義勇にも唸るし、競輪と酒に溺れる仲代達矢の秘密を知ったときにはもう涙が溢れ出ていた…
また車輪トラブルの末に義兄の機関士高原駿雄との太陽の下のあつい握手や、眼つり上げて脂汗かいて七転八倒の苦しみを味わわないと産めないと平常運転の飯田蝶子、極め付けのラストに乗客だった花沢徳衛の一言もしゃべらない顔芸にひと笑い。丘さとみの水着の右の腰あたりに切られたとこを縫い合わせて、行けなかった海水浴の鬱憤を夜のプールで発散、最高か。
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