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戦う翼のotomisanのレビュー・感想・評価

戦う翼(1962年製作の映画)
4.2
 司令官も見やがれとB-17 "The_Body"で抗議の曲乗り。誉の重爆で降伏ビラ撒きは御免だと?キール爆撃で独り勝ちしてなかったら縛り首だろう。バズ機長、腕のいいのは間違いないが、War_Loverとはその通り、戦場にでも根を下さにゃあ花も咲かない。運と度胸と機転で重爆を率いて無事生還六度+海軍基地制圧の戦略的大戦果でもベルリンが落ちたらどうする?その前にあと出撃2回で任務も終了、後方に下がって何をしろって。それともヤバい任務で戦死でもするか?ビラ撒きなんぞは真っ平でも爆撃行なら地獄の門でも開けちまうか。
 妙に翳のあるバズの半生が13歳でホボ、ある寄り付き先のマダムに監禁三日、何をされたか考えたくないが、折しも大恐慌のころ、親に逸れた小僧っ子の行く末として空軍大尉は大変な事のはずだ。
 こんな男が女に惚れた?それとも、相棒ワグナーへの鞘当か。実は肌合いの違うワグナー副操縦士、マニュアル通りの操縦しか自信が無いが、バズと組んでりゃあ運のお零れと踏んだ場数のお蔭で機長昇進の話もやっては来るが、バズと組んでた方が生還確率は絶対高い。それでも、惚れた相手は譲れないから厄介だ。でも、いくら惚れようとあと二回で後方移動か戦死か。それでも将来を夢見る女とそんなだから今しか見えない男とで一体どうする?これが英国駐留兵の泣き所か。バズにしたってWar_Lover。相手からも好かれりゃあ、生き身の女に惚れたもくそも無い。
 何となく予想通り。バズ、戦さ乙女に好かれてしまうんだが、最期の出撃の帰投中の被弾、海峡に逃がせる限り仲間を逃がして、英本土に向かって生きるか死ぬかの大博打にThe_Bodyと二人きり一心同体+戦死のJuniorとともに散華。なんだか、苦渋に満ちた半生を帳消しするかのような最期に潔さを覚えてしまった。といいたいが妙な空虚さにワグナー、シャーリーと一緒になれ。
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