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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのefnのレビュー・感想・評価

4.1
 アスカの首絞めから地球規模で人が死んでいく光景へ、このモンタージュの素晴らしさ。超クローズから超超超ロングショット。最期の審判や幼年期の終わりを扱った映画は数あるが、これほど思い切って”すべての人間”の終わりを捉えた作品は他にない。映画で世界の終わりを語るのなら、聖書の引用や悪魔の語りですませるべきではない。このような画によって語るべきだ。
 物語自体は和製幼年期の終わり、あるいは最後の審判の読み替え。アイデンティティの確立までの葛藤、脱中心化といった心理学的な雰囲気とキリスト教の隣人愛を対置させながら、ヨハネの黙示録っぽい風景に到達させている。
 人の心と他者との関係性について世界のすべてを見出した、人間業とは思えない傑作。(シンは現世に帰ってきてしまったけれど)
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