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裁かるゝジャンヌのefnのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.1
 涙を流すジャンヌ→怒り青筋を立て審問官の切り返し..から一気にカメラが後退してズラッと教会の高官がズラッと並ぶさまは圧巻。クローズアップ、クローズアップ、クローズアップの連続なんだけど、カットバックする直前にトラック/ズームアウトしたり微妙に変化をつけてるから全く飽きなかった。
 あとジャンヌも目線で複数人の対話相手を示唆したり首をひねって見回す動作に厳つい神官のショットを挿入して運動+教会の圧迫感を演出している。ずっと座ったままで手足も動かさないのにクローズアップショットだけでこれだけの演出ができるなんてすごい。
 他にも議場に上がった手先"だけ"を追うトラッキングショットや火刑に処せられるジャンヌを見守る民衆を捉える可変パン(後方の民衆に対する横移動が手前の兵士を捉える瞬間に一瞬縦移動する)等々見どころは多い。
 無声映画の時代にこんなものがあったなんて信じられない。(昨今の口パクする顔面を撮るだけの映画には見習ってほしい)
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