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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのyumeayuのレビュー・感想・評価

4.0
『僕はもう一度会いたいと思った』

今年で放送25周年。思えば、テレビ版放送時は僕もシンジやアスカ、レイと同じチルドレン世代でした。社会現象となった当時の喧騒ぶりをリアルタイムで体験したわけですが、気がつけばミサトさんや加地さんの年齢すらとっくに越えてしまいました(汗)。
テレビで見て、ビデオで見て、DVDで見て、今や配信で見る時代になってしまった…。結局この年になっても追い続けているという…。

さてさて、今作はテレビ版で物議を醸した25話と26話を別解釈で描いた二部構成の劇場版。いわゆる旧劇場版。
そもそもテレビ版の26話なんて、めちゃくちゃ意味不明でしたからね。「おめでとう」って…。
説明不足すぎてテレビの前でポカーンでした。

で、この劇場版ですが、まず25話『Air』。
ネルフ本部を占拠する戦略自衛隊。ネルフ職員が次々に惨殺されていく。生きる気力を失ったシンジを必死に説得するミサト。「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう」ミサトはシンジを初号機のもとへ送り出す…。
続く、アスカの操縦する弐号機の戦闘シーン。
「ずっと、ずっと、一緒だったのね!ママ!!」
自分の居場所を見出し、覚醒するアスカ。
戦自の兵器をなぎ倒す弐号機。今見てもヌルヌル動く弐号機のアクションはかっこいい。
ヌルヌルといえば、その次に登場するウナギ顔の量産機のデザインが異質すぎてキモい。次々と量産機を破壊し善戦するアスカだったが遂に活動限界。復活した量産機に捕食されてしまう。このシーンはアニメとはいえ、目を覆いたくなる残酷さでした。
そして遂に動き出す初号機…。
で、ここで一旦エンドロール。

そして続く26話『まごころを、君に』。
ゼーレはシンジの乗る初号機を依代とし、サードインパクトを発動。人類補完計画を遂行する。
一方、ターミナルドグマでは、ゲンドウがユイとの再会を果たそうとレイと融合を試みる。しかし、それを拒否するレイ。レイはリリスに取り込まれ、シンジのもとへ向かう。
ついに始まるサードインパクト。人々のA.T.フィールドは消滅し、全ての生命は形を保てなくなりLCL(液状)化していく。
人との境界線がなくなったLCLの海の中でレイは「あなたの望んだ世界そのものよ」とシンジに語りかける。「それは違う」と気づくシンジ。また他人への恐怖があっても、「もう一度会いたい」とシンジは願う…。

はい。結局、意味不明(笑)。
正直、知識がないと固有名詞が多くて何がなんだかさっぱりですよね。初見じゃまず理解は無理でしょうし、人によって色々な解釈ができるので正解があるのかどうかも定かではありません。
最後は地球、全人類を巻き込んだ壮絶な展開になるわけですが、描かれているのは"自分"と"他者"を見つめ直すという内省的なこと。実は誰しもが感じる極々シンプルな心の葛藤なんですよね。
今作を見た後、テレビ版の26話を見ると、シンジが「僕がここにいてもいいんだ」と決意する意味がしっくりきたりもする。
ラストはハッピーエンドともバッドエンドともとれる。

どちらにせよ、この世界観はどうかしちゃってるとしか思えない。
アスカが言ったとおり、はっきり言って「気持ち悪い」。
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