カテリーナ

マルホランド・ドライブのカテリーナのレビュー・感想・評価

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)
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デビッド・リンチの仕掛けた罠

初めて見た時から一体何年経ったんだろう
同じ女優が後半から違う役柄になってしまったり辻褄の合わない事が次々に起こり
答えを探している内にもっとわからなくなって 気がつくと繰り返し見ていた
私が大事な台詞を見逃してるから答えがわからないのだと信じていた
どうしても自分の力では答えを導くことができなくて 町山さんの映画無駄話を聴いてやっと納得する事ができた
リンチ監督の罠に嵌ってジタバタしていただけなのがわかって あまりの不甲斐なさに笑ってしまった
後半カミーラがダイアンを虐めるように
リンチ監督には はっきりと悪意を感じる

前半の山場 ダイアンの部屋をリタとベティが訪れる場面でその部屋のベットに横たわる腐乱した死体の主に説明がかない
クラブシレンシオから戻ったふたりが青い箱を開けた後 一体その箱の蓋を開ける意味がわからない 
蓋を開けても箱の中身は暗くてよく見えない その箱の奥に深く深く入っていくイメージで その箱を持っていたリタの姿もベティの姿もなくて床に転がった箱だけが残る
もう、本当、意地悪だなぁ

ナオミ・ワッツが泣きながら自分の股に指を突っ込む迫真の演技に圧倒されると同時にふたりの女優の美しさにも魅了される
そして強烈な印象を残す
クラブシレンシオの歌姫の独特な色遣いのオレンジと赤のアイシャドウ
恋人との別れの切なさを歌い上げる彼女の特に真っ赤な口紅から綺麗に揃った真っ白な前歯 まるで作り物みたい

謎が解ける前は映画のシーンに隠された鍵を探そうと食い入るように見ていた数々の場面や台詞を知らぬ間に記憶していたことに 今回久しぶりに見て気付いた
謎が解き明かされてからはもう、再生ボタンを押す事がなくなってしまった

謎が解けてしまうと興味がなくなってしまう映画なんだなぁ

でもクラブシレンシオで流れる哀しい別れの歌声同様にふたりの恋の末路に暗澹とする忘れられない作品になった
カテリーナ

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