カテリーナ

金融腐蝕列島 〔呪縛〕のカテリーナのレビュー・感想・評価

金融腐蝕列島 〔呪縛〕(1999年製作の映画)
3.8
いにしえの根津甚八そして、三浦春馬

汚職に塗れた上層部の役員を総辞職させ
やり手の中堅行員4人が銀行を立て直そうと疾走する

保守的で頭の固い年寄りを追い越し
若さとバイタリティで再生に導く
企画本部のミドル4人組と呼ばれる
役所広司をはじめ椎名桔平など
若さとエネルギーに満ち溢れている
俳優陣が良かった

立ちはだかる壁を
確実に打ち砕いていく
特に役所広司の北野は秀逸
企業の複雑で窮屈な縦社会を描かせたら右に出るものはいない
(言い過ぎ?)
原田監督お馴染みの独特な演出で
際立つ
キレ者で度胸もある
彼の存在感だけで
成功への途轍もない長い道のりも
大丈夫って謎の安心感が生まれる
仕事はできるけどむさいおっさんの中でひとり爽やかな風を吹かせている椎名桔平『(『アウトレイジ』で
も同じ事言ってる気がする)
特に今までは平身低頭 接待をしていた得意先の男に対して
反旗を翻し乱暴に肩に手を回し
説教を垂れた後
タクシーに唖然とする男を残し
笑いながら外したネクタイを夜の空に投げる仕草は
身体中に絡みつくしがらみを取っ払ったかのよう 更にその後ろ姿に少しの寂しさを滲ませる上手さを見せた

丸野証券の利益供与事件による総会屋・小田島の逮捕により
彼との癒着を暴露された北野の義理の父親の仲代達也は
娘婿北野に問い詰められても
保身の為に最後まで自分の悪事を認めようとせず証拠の遺書を北野の手から奪おうとよろけ転倒し
惨めな姿を晒す
流石の仲代達也の芝居にとことん辟易した(褒めてます)

役所広司の息子役で幼い三浦春馬が
出演してるのを記しておきたい。
カテリーナ

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