シャトニーニ

マイウェイ 12,000キロの真実のシャトニーニのレビュー・感想・評価

2.6
〜二人の囚人が外を眺めた。一人は泥を見た。一人は星を見た。〜

時代に翻弄されていく日本人と朝鮮人の友情ぽいものを描く戦争ドラマぽいの
ノモンハンからスターリングラード、ノルマンディまで、プライベートライアンぽい巧みな映像描写があるけれど、テレホンカードくらい薄い史料なので簡単に史実を曲げちゃっていそうな。歴史上見事にも、日本はおろか韓国人が参戦していない部分を丁寧に描いている。そもそもこんな眉唾な話を実写にしちゃアカンでしょ。太平洋戦争を無視した被虐史観としての戦史、連中は朝鮮人の特攻隊員がいたり442部隊があったとか知らんのかな

人種差別シーンが、なんかこれがかれらの理想の日本陸軍(憎まれ役)イメージなのかとくらい残念に。日本人に立派な人もいるけど、この見せ方ではヘイトしか残らない。テロや暴動、内紛で親韓の人ばんばん死んでいくし、大げさな差別や懲罰の場面が軍隊行動として非生産的。学生や子供が見れば歴史認識を誤りかねない文明の破壊、いわば映画の教科書問題である。救いといえば、山本太郎の出てるシーン「キムチの匂いだけをかぎ分けたってことかーい!」とか、ひたすらにコントに見えるので、戦争映画ではないかな、と思えてきます。泣けねぇし、「半島に関わるとロクなことがない法則」の映画という意味では秀作。奇しくも、朝鮮の関わった戦闘はほとんどが負け戦なのだから。中国のお姉さんスナイパーは割と好き。

見る前に知っておくべきは
・軍隊において敵兵や政治犯は徴兵されないし最前線に置かれない(義勇兵の例外もあるけれど長期の教育が必要になる。将棋の駒やゲリラじゃないんだから)
・わかっている史料ではノモンハンで朝鮮兵100人を自爆特攻させた事実は無い、爆弾抱えた日本兵は自爆したけれど。非効率的なトラック自爆はテロルか何か。
・なんか大事な娘の写真を手に死んでいった朝鮮オッサンいた。その写真に写ってる少女がセーラー服。日本を恨みながらどうも日本趣味じゃねえかコイツ


こういった大日本帝国と共産主義とファシズムに真っ向から喧嘩を売っている映画なのは理解できたが、かといって韓国は敗戦国から戦勝国にホイホイ鞍替えした歴史から逃れられないブーメランな映画と思いますよ。そう、作中のかれらがそうやってたように。

キャストに関しては、佐野史郎、チャン・ドンゴンとオダギリジョーのムダ使い。
チャン・ドンゴンは好きなのに、これがブラザーフッドとかとおんなじに見えた。