空海花

U・ボートの空海花のレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
5.0
ようやく5月分入りました!(笑)笑うしかない、笑っておこう(笑)

ウォルフガング・ペーターゼンの初期作にて出世作。
戦争物、潜水艦物の大傑作。
お気に入りの殿堂入りです。

配信で見つけてすぐ観始めて、
しまった、ディレクターカット版だ。。長い
しかも具合あまり良くないんだった。。笑

序盤の閉塞感と悪ふざけでいきなりちょっとダウンしました(笑)
外出自粛期間にもオススメできるものではなかったですが、
少し休んでから一気観しました。
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狭い潜水艦の中を男たちが走り回る。
沈む時は船首に集まり
浮上する時は船尾へ走る。
敵艦を見つけた時は息を潜め
食事の時はレモンを丸かじりする🍋

艦長は元々船乗り出身の叩き上げで生粋の海の男🌊
経験と冷静な判断で多くのピンチを乗り越える。
無理難題を押し付けてくる上層部を良く思っておらず、冷めた視線で見ているのが印象的。
ドイツに忠誠を誓うガチガチさに嫌気が差し
敵国イギリスの音楽をかけたりする人間味が微笑ましい。
部下に対して優しさを見せることは少ないが
絶体絶命のピンチにも最後まで諦めないのは
彼らを陸地へ還すためか。
したためる手紙に部下への思いを感じる。

ヴェルナー大尉や機関長、士官や兵士達の性格もきちんと描かれており
観客もその仲間に入り込めるような没入感もある。
ヴェルナー少尉は、海軍報道班員でUボートを取材するために同乗しているのだが、
同じく海軍報道班員だった原作者ロータル=ギュンター・ブーフハイムが元のキャラクターである。

海中のグリーンの中に黒い影。
CGのない時代なので現代から見たらチャチな映像なのかもしれないが
こういう臨場感や閉塞感の出し方があったのかと今だから感じるところもある。
水面に浮上した時の海の碧さや
暗鬱に広がる深い灰色
夕陽に当てられた艦影と船員の人影
美麗ショットも多く、高く評価したい理由でもある。

しかしこの映画の最大の魅力は
海底でまさに息が詰まるようなクライマックスから
エンディングにかけてのラストシーンにある。



有名なので以下ネタバレさせていただくと🙇⚠️



バッドエンドの中でも最高峰の一つではないだろうか。
ああ無情、
戦争物に救いがあってはいけないことを自らに課しているようだ。


更にネタバレはコメント欄に🙇


2020自宅鑑賞No.29/total105
空海花

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