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DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマンのHKのレビュー・感想・評価

3.0
庵野秀明もエヴァもあまり詳しくは知りませんが、ほぼ同世代なのでウルトラマンは大好きです。
以前映像の一部を見たことはあり、島本和彦原作のTVドラマ『アオイホノオ』も観てるので、本作の存在は知っていましたが、全編を通して見るのは初めて。
本家と同じ1話ほぼ30分弱の作品だったんですね。
BGMもサントラ、真ん中でお馴染みのCM前後のアイキャッチも入ります。

もうマニアックなオタク魂全開ですが、自主製作でこれはスゴイ。金もかかってそうです。
とくにミニチュア・ワークは現在放送中の本家シリーズにひけをとらないのでは。
街並みに基地に戦闘兵器にユニフォームにとこだわり方が尋常じゃありません。
『帰って来たウルトラマン』(実は『ウルトラセブン』要素強め)への愛が炸裂してます。

学生の自主製作だから出演者はみんな二十歳前後。
しかし、先日、最新のTVシリーズをチラリと見たら隊長以下みんな若くて演技力も?
まるで学生だけで作ってるような印象でしたから、実は本作と大差ないかも。
いや、むしろ安っぽいCGなんかナシで、手作り感あふれる本作の方が熱意を感じました。
でも話は面白くないし、これをTVで流しても子供にはウケないでしょうね。

怪獣の顔はどことなく使徒っぽいし、
実相寺もどきのカメラアングルをたたみかけるし、
自分でウルトラマンの動きを再現するし、
庵野秀明、もう『シン・ウルトラマン』でやったことは既にここでやってますね。
自分はもうやったから『シン~』の監督は樋口氏にまかせたのかも。

顔を出した庵野ウルトラマンを見ると、ドラマ版『アオイホノオ』で自分の受けたダメージをいちいちウルトラマンになりきって体現している庵野(演じるは安田顕)の異様な姿を思い出しました。

『帰って来た~』と言えば、お約束のMAT上層部の核攻撃(スパイナー)は出て来るし、いろいろとマニアックな脚本を書いたのは岡田斗司夫(『アオイ~』では濱田岳)。
もうみんな正真正銘の好きモノです。

『セブン』や『新マン』をあまり知らない人は見ても「ハ?」でしょうから、そういう人は近寄らない方が無難かと。
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