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ニーチェの馬のdeiのレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
5.0
人間の営みは映画にしてしまうとそれがどんな内容であったとしても観測の対象になってしまう宿命がある。たとえば無人島にたった1人の存在を映したとしても、そこに誰も観測者がいない世界だとしても、その画面にある衣装や美術や俳優の存在の制作的な作為を見出してしまう。唯一この映画だけはその点においてその視点から離れることになった(もちろん映画館で見た時の映像と音響は素晴らしすぎて圧倒された)。こんな青臭い言葉でこの映画の感想としてしまうのは稚拙で思考停止のように思えてしまうけど「生きるって一体どんなことだろう」と思わずにはいられない。

タルベーラの映画に関してはどの映画もどこかのシーンで自分がその映画を見たのは必然だったんだと思わせるような力強く運命的なカットがある。
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