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グラン・トリノのsnatchのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.2
「運び屋」と同じ脚本家なので見直し。観た者の心を揺さぶる2008年の作品🎬
戦争に加わった者、巻き込まれた者と、生と死にこだわり続けるイーストウッドの作品。
人を殺した者は一生忘れられない、懺悔しても救われてはいけないこともわかっている。自分は死に囚われ、自分の死はそこまで来ているが、復讐によって死ぬかもしれなかったタオと一生消えぬ傷を負ったスーの命=生を救えた。
「グラン トリノ」の時点では信じたいものがまだあったのだなと。ひどい世の中の問題に決着をつけようと。「運び屋」では、世の中なんとかしようなんて思わない、自分のできる事をするだけ。でも、それは、たとえ僅かでも何か変化の微かな一粒にはなるかもしれない。それは、残りの命を実感しているイーストウッドが感じていることなのかもしれない。
映画 グラン トリノを流れていくタオへの愛情とも呼べそうな友情が芽生えていく一本道が脚本と演出の巧さだと思うが充分に自然でいい。常に鎧を被るウォルトの中にそっと仕舞われている優しさが見え隠れし、スーやタオたち私の心に触れるところも惹かれる。ラストにくるまでが好き。ラストがヤンチャすぎる!やっぱダーティー・ハリー🙃
静かに控えめに入る音楽もとても好き。

それにしても、アメリカという歴史の浅い国に溜まってしまった差別やアメリカが絡む戦争やテロ、銃などの問題に目を背けないイーストウッドを尊敬する。次は「アメリカン スナイパー」をまた観よう…イーストウッドループにまたしてもハマってしまった😅
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