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春の雪のshinoのレビュー・感想・評価

春の雪(2005年製作の映画)
3.0
三島由紀夫最後の長編小説『豊饒の海』の第1部、『春の雪』を映画化した作品。
勲功華族の子息、松枝清顕は、自分に好意を抱いている堂上華族の子女である綾倉聡子に対し、横暴でわがままな態度を取る。
「もし自分が離れたらどうするのか?」という聡子を一笑していたが、ある日聡子に婚姻話が持ちかけられ、清顕は聡子への思いに気づく。

本当に清顕という男は面倒で子供っぽくてほぼほぼ清顕のせいで物語は進むのですが、正直清顕こと理解はできないけど嫌いにはなれない…もうユキオミシマの文章力の勝利としか言いようがない……原作はだいぶうろ覚えですが、それなりに世界観を表せていたと思います。凝縮版ではありましたが、カットの仕方はあまり違和感はなかったと。
やはり映像で見れる日本の美と、西洋の美とが混ざりあった大正ロマンが見どころでしょうか。カメラはリーピンビンさん。『空気人形』のカメラマンさんでした。通りで映像がきれいだと。
一つ言えば、ラストのあの蝶はウウーン!?ってなりましたね。解釈違いがね……。映画はあくまで春の雪で完結、とのことだったのでしょうかね。
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