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シン・エヴァンゲリオン劇場版のshinoのレビュー・感想・評価

5.0
観ていました。

ネタバレ回避しながら語るのはとにもかくにも難しいのだが、終わってエンドロールを見ながら感じたのは「やり切ったなあ、庵野監督」という気持ちだった。

衝撃な終わりを迎えたQから9年、正直完結を見られるとは思ってなかったし、見る前はテレビ版やら旧劇みたいな感じの終わり方なんやろな〜って思ってたけど、なんかこうストンと「あ、ほんとにエヴァを終わらしたんだ」という感想を抱いた。なんか上手く言語化できないけど、とにかくストンと理解できた。

泣くかな?と思ってたけど全然泣かなかった。消失感は半端なかったけど、泣かなかった。でも何年も連絡を取ってない、序を一緒に見た友達に連絡したくなった。そんな不思議な気持ちになった。

多大な期待を抱かれ、はよ作れと皆んなに言われる中(わたしも言ってました、すみません)、心身共に辛かっただろうに、本当に完結させてくれてよかった。ありがとう、庵野監督。そしてさようなら、エヴァンゲリオン。

隙あるので自分語りするんだけどエヴァと出会ったのはシンジくんたちと同じ中学二年生。ちょうどエヴァンゲリオン新劇場版序が上映されたころ。名前となんとなくの設定は知ってた知識でテレビ版を見て、あまりにも複雑怪奇な物語に全然理解ができなくて、でも中2のわたしは「あーね(笑)(理解できた顔)(この高みにまだおらんのか?顔)」みたいな感じで見てた。今よりも全然ネットとか発達してなかったけどネットでエヴァの考察を見たり聖書読んでな〜んも理解できん😁ってなってた。覚えてるのは当時再生機器がリビングにしかなかったので親が料理してる中リビングで見てたらミサトさんと加持さんのセックスシーンが流れてマジで本当にクソほど気まずくなったこと。同じ地獄味わった少年少女はきっと多いはず。多いよね?多いよな?

そんなわたしもQ時点でのアスカたちと同い年になっちゃったよ。年は取るものだなと思うし、年を増すごとにエヴァを見て感じるものが変わってきている。シンジくんよりちょっと年上になった高校生の破で感じたこと、ちゃらんぽらんな大学生になったQで感じたこと、社会の辛酸舐めた社会人になったシンで感じたこと。全部感じるものが違った。

序破のときウジウジしてるシンジくんに腹立ってたけど、今は自分が中学二年生の時はシンジくんよりも酷いんじゃないか?とか、いくら適応があったとはいえまだ14歳の子どもを死線に立たすなよとか思うようになった。世間一般的に大人と言われる肩書きを得たからこそ感じたことで、世間一般的に子ども・未成年という年では気付けえなかったこと。その感じ方の違いは本当に大人になった特権だと思う。

新エヴァを見ている中高生はたくさんいると思う。その人たちは今感じたことを大切に覚えていて欲しい。そして世間一般的に大人と言われる肩書きになったとき、またもう一度見てほしい。何をどう感じるか、変わらないこともあれば変わっていることも多いと思う。自分の思考は変化する。その変化を楽しんで生きてほしい。
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