赤

トップガンの赤のレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
4.0
2018年劇場鑑賞77本目
午前十時の映画祭にて

トム・クルーズの大スターへの道を確固たるものとした出世作。
当時の一大ムーブメントがどれ程凄かったのか、調べ得る限りでも相当な物であることがわかる。
劇中マーベリックの身につけていたフライトジャケットやサングラスが世界中で売り切れ御免、サウンドトラックはこれまでも幾度となく違うバージョンで販売され続けてきた。
さらに、この映画の影響で米軍パイロット入隊希望者が500%増えたともいう。
映画に関わらずとも、ここまでのレベルで全世界的に影響を与える作品は近年稀に見ないだろう。

アメリカ海軍全面協力という、もう色々な意味で強いバックアップで撮影されたドッグファイトは今見ても迫力がある。
今ではCG技術が当たり前になってしまっているため、これよりも迫力のある映像は正直星の数ほどある。
しかし、実際の機体の模型を使って撮影しているためFPSのような主観の場面が多いなど妙なリアリティ感があって、これはこれで画になっているなと。

大ヒット曲"Danger Zone"は80年代の代表格とも言える。
劇中とにかく頻繁に流れる、デジモン進化時の"brave heart"並に流れる。
今では聞いていて懐かしさを覚えるが当時においては最新の音楽である。劇中流れる名曲達は今も尚現役である。
見終わった後しばらくサントラを聞き込みました。

ストーリーテリングは正直上手いとは思えないが、ここまで王道の内容だと逆に清々しくて見ていて楽しい。肩の力を抜いて見ることができる。
画だけで一発で魅せる迫力の映像や音楽、当時から発揮されていたトム・クルーズのカリスマ性など、見ている我々を引き付ける要素があるだけでも映画として十分成立しているように思える。

若かりし頃のトム・クルーズもとてもフレッシュである。この頃からスター性は顕在であり、そりゃ女性教官も恋に落ちるというイケメンっぷりである。
そして2018年現在も、彼の代表作「ミッション・インポッシブル」シリーズでは間違いなくアクション映画史を更新し続けている。もはや、はっきり言ってトム・クルーズがイーサン・ハントを超えている。ハリウッドの圧倒的スターである。

そして、32年ぶりの次回作撮影も開始している。
トム・クルーズがTwitterに上げた投稿に関して、アメリカ海軍や空軍の公式アカウントが機体について討論しているのを見て爆笑である。当時この映画を見て、憧れて入隊をした人達も多いだろう。多くの人にとって思い入れの強い今作の続編、今からとても楽しみである。

毎度の事ながら、名作をスクリーンで見ることができる午前十時の映画祭というハイパー神企画には頭が上がらない、感謝。
赤