このレビューはネタバレを含みます
バイオレンスアクション&クライムサスペンスでエンタメに徹した大森立嗣作品。
普通に生きたいと願う者達の無慈悲な搾取と支配、血で血を洗う一発逆転でなければ救われない残酷な世界。
本当に狂っていたのは持たざる者達か、ニューシネマ的不条理劇の無常感が尾を引く。
監督が思う"カッコイイ"のサンプリングと社会問題提起の双方が共に掘り下げ不足の為どちらにも振り切れておらず、何度目かの表層的タランティーノフォロワー作品という印象は正直否めない。
但し役者陣の好演や演出の冴えたシーンの数々により全編通して十分に見応えあり。