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Summer of 85の赤のレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
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終わりの始まり、森羅万象が常に向かうは死。
生に満ちた夏の始まりと死と向き合う夏の終わり、対極を交互に映す見事な時系列操作。主人公達が出逢う生き死にの二つの海はあまりにも眩しい。
これは君の物語ではない、少年が自分自身を知る彼の為の物語。
1985年夏、美しく残酷な青春の初恋。

初めと終わりで意味合いが変わる音楽使いが、"終わりの始まり"という主題に合致。
主人公達を繋ぎ、彼等だけの世界に音楽が誘うディスコシーン。世界に触れて愛を知る、ラ・ブームやGotGをも連想する美しくて尊い瞬間だった。
オゾン監督が映画化を強く望んだ理由がわかる普遍的な愛の物語。
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