Azuという名のブシェミ夫人

メリィ・ウィドウのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

メリィ・ウィドウ(1934年製作の映画)
4.4
これが80年も前の映画だなんて!!!!
お伽話的クラシックなミュージカルかな・・・と思っていたら、始まってすぐ『女が好きだ!!女最高!!』みたいな歌を高らかに歌いながら大行進するモーリス・シュヴァリエにやられた。
まるで徐々にスピードが加速していくように物語が進んで、気がつけばすっかり夢中に!

古臭さを感じさせない小気味よく軽妙な会話のやりとり、ちょっと色っぽくも品のある恋愛模様に心が躍る♪
ユーモアがあってコントのような部分は何回か声に出して笑ってしまったし、また時折挟まれるシニカルさにもニヤリとさせられる。
『国の半分程のお金を持っているのだから、綺麗に決まってんだろ』的発言とか。
国王が図らずもソニアを口説ける男を見つけ出すキッカケになった苦渋の場面も皮肉が効いてて・・・ふふふ。

あぁこんな昔に、こんな洒落たラブコメを生み出せるなんて♡
ジャネット・マクドナルドが容姿も歌声も本当に美しく、ふいに見せるツンデレっぷりが可愛らしい。
モーリス・シュヴァリエとのコンビネーションが絶妙で、二人のすれ違いがじれったいながらも愉快。
ダニロのグイグイ来る感じが段々ツボってくるね。
部屋に二人きりになる為に、靴持って行っちゃったりして。
興味無い男だったら、裸足でも帰るけどな。

画面の構図もとても良く考えられているようで、特にとても気に入ったのが舞踏会のシーン。
大勢の人々がシンクロしたダンスを見せながらクルクルとフレームインしてきたり、奥から手前へ流れてきたりで、まるで万華鏡を覗きこんだような美しさ♡

終わり方はアッサリだけど、それって現代のラブコメにも言えることだし気にならない!
古臭いのは映像くらいのもので、本当に最後までとっても楽しかった♪

エルンスト・ルビッチの作品は初めてだったけど、他のも絶対観ようと心に決めた!!