Hagieen

MUSA -武士-のHagieenのレビュー・感想・評価

MUSA -武士-(2001年製作の映画)
3.6
キム・ソンス監督、チョン・ウソン主演。

明国へ送られた高麗の使節団だったが、元の間諜と疑わられ砂漠へ流刑となる。
途中、元軍の襲撃に会い護送していた明国人は駆逐、高麗人は解放される。
高麗の使節団は帰国の途につくが、途中のオアシスで元軍と鉢合わせし明国の姫が捕らわれの身であることを知る。
元軍から姫を奪還し、明に送り届ければ使節団としての任務を遂行できる。
高麗使節団は元軍の隙をつき奇襲を企てるが・・・

日本公開当時、試写会に参加して観た記憶。
出演陣も舞台挨拶で来日し、イケメンぞろいに歓声が多かった。

中国・韓国の合作作品で「グリーン・デスティニー」で世界的ヒットを飛ばした直後のチャン・ツィイーが明国の姫役で出演。
さらにはユー・ロングァンが元の将軍と豪華キャスト。
ユー・ロングァン、存在感あって将軍ははまり役。

最初は高麗側の将軍チュ・ジンモが主演かと思ったが、元奴隷であるチョン・ウソンがメインらしい。
奴隷として身なりが汚いが、爽やかイケメンは隠せないw
槍と長髪って「うしおととら」のようないで立ち。

物語の着想は高麗使節団が行方不明になったという話かららしい。
歴史的にも元-蒙古に従属していた高麗なので、明がスパイを疑うのはさもありなん。
※元寇は高麗軍中心という事もアリ、属国として動いていた事実。

今作の時代設定は1375年との事なので元寇より100年後くらい。
朱元璋が中国から元を追い払った直後なので、高麗側が実力者にすり寄るために使節団を派遣したという歴史背景には符合する。

カメラこそカット割りは多いが、アクションはスタイリッシュなモノではなく非常に泥臭い。
この辺りは歴史モノを意識していてリアリティを追求しストーリーも血なまぐさい展開。
元、高麗、明と異民族間の力関係、そして身分の貴賤による互いの葛藤、憎愛が折り重なり展開される。
強大な元軍相手に、民間人と武人が一体となり立ち向かう。
城のセットを作ったりと巨費を投じて制作された大作。

武士というタイトルは黒澤作品を意識している表れだと思う。
ちなみに武士っていうのは日本発祥の言葉らしいので、背乗り感があるんだよなぁ・・・
なのでこの映画のタイトルは違和感がある。
まぁアラン・ドロンも「サムライ」とかあるけれど・・・
映画としては楽しめました。
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