Hagieen

カンフースタントマン 龍虎武師のHagieenのレビュー・感想・評価

3.8
ウェイ・ジュンツー監督。

香港映画の黄金期を支えたスタントマンに焦点をあて、各関係者の証言を集めたドキュメンタリー。
京劇のアクションを香港映画に取り入れた初期、アメリカ帰りのブルース・リーが導入したリアリティ、サモハンやジャッキーが開拓したコメディ・アクション、ワイヤーアクションなどの黄金期から衰退、若手育成に取り組む現状までと香港アクションの歴史がわかる。

特に日本ではスポットが当たらなそうなユン・ワー、チン・カーロッ、ブルース・リャン、マース、トン・ワイなど、香港スタントを命がけで支えていた面々の証言が聞けるのは嬉しい。
サモハンの要求するスタントのレベルが高すぎて(危険なスタントなので)誰もやりたがらないなど、超笑ってしまったが、大兄貴の言う事は聞かねばならぬと命がけで遂行するチーム・サモハンの面々など、一級のスタント・マンでも恐怖と戦いながら演っていたのに敬意を感じる。
彼らがいなければ80年代のジャッキー映画は成り立たなかった。
※スタントマンのみならず、アイドル女優も発破の中で飛び降りるとか無茶苦茶だしね・・・

ショウブラやゴールデンハーベストがかつての勢いを失くしてしまったが、香港アクションの魂は本土でも受け継がれ、ハリウッドにも影響を与えている。
そんな世界一のアクションを産み出した香港映画のスタントの現状は寂しいかぎりだが、若手育成など新しい動きもあるとの事なので頑張って欲しい。
Hagieen

Hagieen