Hagieen

シャクラのHagieenのレビュー・感想・評価

シャクラ(2023年製作の映画)
3.9
ドニー・イェン監督、主演。
バリー・ウォンが監督とばかり思っていましたが、今作はドニーと共同で製作でしたね。

丐幇(乞食の助け合い組織のようなモノ)の幇主・喬峯はその出自が宋人ではなく契丹人である嫌疑をかけられ、
また養父母や師父を殺したとして追放される。
かつての仲間たちと戦いながら、自分を信じてくれる阿朱と共に真相を追ってゆく。

金庸原作の大作「天龍八部」を改編し喬峯に絞ったストーリー。
原作は複数の主人公がいる複雑な構成だが、そのまま映画にするのは難しくうまいまとめ方だと思う。
段誉と虚竹に至ってはスーパー脇役と化しているがw
※昔の香港映画は金庸原作とうたっていながら酷かった。

冒頭から谷垣+ドニーアクション満載で期待通り。現代劇とは違う外連味あふれたワイヤーワークでの
ソード・アクションではトップだと思う。
もはや速すぎて観客置き去りにされていないか、というくらいの凄まじさは他の追従を許さない。
※スターウォーズの剣戟もスゴイが解りやすい。そりゃチアル-ト(ドニー)がジェダイに見えてしまうわけだ。
そして喬峯の「降龍十八掌」の表現がどんな感じになるか期待と不安があったのだが、CGで龍とか出てきたら嫌だな、と思っていたが上手い落としどころ。
しかし喬峯が降龍十八掌をサービスしすぎて、もはやダース・ベイダーのフォースのような猛威を振るっている。

ヒロインは阿朱役のチェン・ユーチー。
ちょっとジジ・リョンっぽい美女ですが、劇中の大半が大技喰らっての半病人ダウンメイク状態というもったいない使い方。
同じく金庸の「倚天屠龍記」のTV版に出ているらしいのでいつか見よう。

喬峯はTV版で演じていた大柄なフー・ジュンのイメージが強かったが、ドニー兄貴の豪快な感じもハマっていたかと思う。

ストーリー的には原作を上手く換骨奪胎というところだが、ストーリーを熟知している中華圏と違い日本ではどう受け取られるのかは気になるところ。
現に公開初日に観に行ったが観客はわずか・・・
個人的には満足しているが、日本人にはもう少し江湖に興味を持って欲しい。
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