MoonRiver

白夜のMoonRiverのレビュー・感想・評価

白夜(1957年製作の映画)
4.0
最近Blu-rayが発売されて品薄で話題になったロベール•ブレッソン監督版ではなく、もっと昔のヴィスコンティ大先生版の方です。

ある夜橋の上で泣いている女性ナタリア(M•シェル)を見かけたマリオ(M•マストロヤンニ)は声を掛け、ナンパしてきた若者たちから守るようにして少し強引に家まで送る。
それ以来2人は会うようになるが、ナタリアには一年前に別れた恋人(ジャン•マレー)とこの橋で会う約束をしていたのだが。

チネチッタに造られたセットで撮られたと思われるこのモノクロ映画。
小さな橋と川、短い大通りだけの街並みですけど、昔のイタリアの街てこんな感じやったんやろなぁ。
降り積もる雪のシーンと犬が印象に残る、大作の影に隠れたヴィスコンティ監督の名画の一つかと思います。

ナタリアを演じるM•シェルがすごい可愛らしいかった。
恋人を一途に思って待ち続ける役で、ともすればぶりっ子みたいになりそうですが(^^;)ホント表情が可憐で可愛くて良かったです。
後で歳調べて30歳越えてたと知ってビックリした。

色男M•マストロヤンニがいつものようなモテモテ男やなかったのが新鮮でした。
J•マレーの存在を意識しながら、なんとか恋人になりたいとあれこれやってみるとこが健気。

ヴィスコンティ監督=重厚で大作のイメージが勝手にあったけど、この作品はそのイメージを覆しながらも心に残る映画になってて、もしヴィスコンティ監督を敬遠したりハードル高いかもと思ってる人や、恋愛物が好きな人にも観てほしいです。
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