こたつむり

ラブゴーゴーのこたつむりのレビュー・感想・評価

ラブゴーゴー(1997年製作の映画)
3.0
♪ はっきりもっと言い出すんだぜ
  ふざけるのやめて
  同じ様な日々はもうすぐ過去だぜ

イケてない男女のラブオムニバス。
僕の属性もMK(モテて困っちゃう)じゃないので十分に感情移入できる余地あり。そう考えて臨んだんですが…。

うーん。ごめんなさい。ダメでした。
何がダメって、主人公たちに清潔感がないところ。これは見た目の問題ではありません。どちらかと言えば、動作のひとつひとつから透けて見える価値観の違いですね。

例えば、一人目の主人公はパン屋さん。
でも、パンを作るときに帽子をかぶりません。これは百歩譲って良いとしても、やたらと髪の毛をペタペタと触るんです。「え。その手でパンを練っちゃうの?」とか思っちゃったんです。

或いは、二人目の主人公のぽっちゃり女子。
ゴロリと転がりながらポテチを食べている…そこまでは良いんですが、脂ぎった指先を無造作に服とかで拭いちゃうんです。あー。ギトッっちゃう。部屋着だからってそれはちょっと…。

僕は潔癖症ではないです。たぶん。
でも食べ物関連が(箸の持ち方とか、咀嚼とかも含めて)だらしないのはNGなんですね。生理的に受け付けないんです。それ以外(汚部屋とか)なら大概は大丈夫なんですが。

思うに、食べ物って“生命の残滓”。
それを軽々しく扱っているのがダメなんでしょう。例えば、台所が汚い…というのは、調理した動物の血飛沫をそのままにする…と同義。料理は跡片付けが大切ですよね。

まあ、そんなわけで。
予想外のところで躓いちゃったので、最後までノリきれなかった作品。狙い(日常ドラマ)は分かるんですけどね。イケてない男女にも説得力がありましたし。

この雑な感じはお国柄なのか、製作年代の所為なのか。でも、本作は1997年公開作品。80年代じゃあないんです。そう考えると、監督さんの無造作な感じが悪い方向に出てしまっただけ…な気もします。

ある意味で“ホンモノ”なんですけどね。
虚構過ぎるのはダメで、ホンモノ過ぎるのもダメ…って僕は神経質なんでしょうか。エンタメって難しいですね。
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